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「現代型うつ病」

 最近、うつ病がテレビや新聞で盛んに取り上げられています。病気や精神科に対する偏見をなくすことや、患者さんに希望を与えることに貢献していると思います。しかし、うつ状態をすべてうつ病とくくって、薬で治りますと言いきってしまうことには、非常な抵抗を感じています。そして、こう思っている精神科医は少なくないと思います。うちにいらした患者さんでも、「うつ状態だけど、普通にいううつ病じゃないと思います。」なんてはっきりしない説明を受けた方も多いはずです。そのような方は、以前は神経症とか抑うつ神経症という用語で説明されていたものに当てはまることが多いと思いますが、「現代型うつ病」なんていわれているようです。この言葉は本日(2006年8月27日)の朝日新聞の生活面に見つけました。九州大学の神庭重信先生が的確に説明してくれています。
 神庭先生の書かれた記事をまとめますと、年代は10代後半から30代。性格は、社会のルールをストレスと感じる、仕事熱心ではない、秩序を否定する。元々やる気がなく、熱心に何かを取り組んで認められたという経験を持たない人が多く、何となく就職し、仕事のノルマや上司との関係など、規範でがんじがらめの社会で初めて壁にぶつかってうつ状態になる。主な訴えは「やる気が出ない」で、他人を非難し、大量服薬などの自傷行為にでる。自分から「うつ病だから治してくれ」と受診してきて、診断書を要求して休職したりする。抗うつ薬が効きにくく、慢性化することも多い。治療はその人の性格や対人関係能力などを把握し、物事がうまくいかないのは「うつ病」のせいではなく、生き方に問題があるのだと気づくことが必要。となります。クリニックにうつ病治療を希望して訪れる大半の方の、非常に的確な病像の描写です。そして、多くの精神科医がもっているこの病気への忸怩たる思いも文脈に表れているように思うのです。
 しかし、ほとんどの患者さんは他人を非難しながらも、自分の問題にも気づいています。自分が悩んでいることは些細なことだとか、普通は我慢するものだとかという思いもあり、そんなことで悩む自分が嫌だとか。このように薬だけではスパッと治らないことも多いのですが、逆に、自分の力で治せると見方を変えてもいいと思います。生き方を変えるなんていうのは大変そうですが、この部分だけと限定しながら見方を変えていけばそう大変ではありません。精神科医の役割は見方を変えるお手伝いと思ってください。
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