箱庭療法

ふた有  カウンセリング室の隅にある箱のふたを開けると、ふた無 砂丘が入ってました。小舟 手で掘れば湖になります。これは箱庭療法の箱です。さん、箱庭療法って砂の入った箱におもちゃをおいていくんですよね。そういう心理療法って日本で昔からされているものなんですか?
:もとはイギリスの小児精神科医が発案した子供向けの治療法なんですよ。これをユングの分析心理学の考えを導入して発展させ、成人にも適用できる表現療法として確立したんです。日本には、河合隼雄先生によって1965年に紹介されました。日本に来て、50年近くたっているわけですね。普通の治療の他、相談所、学校や企業のカウンセリングルームなどでも活用されてるんですよ。
:おもちゃを置いたり、砂で山を作ったりしてひとつの世界ができるんですね。制作時間とかおもちゃってなにか決まりがあるんですか?
:制作時間はだいたい1時間以内が適切だと思います。知らずにエネルギーを使うものなので疲れてしまうといけないですからね。おもちゃは数や大きさ、種類などにとくに規定はないんです。人間、動物、植物、建造物などいろいろなものがあるほうがよく、怪獣などの想像上のものやビ—玉、貝、石などもあるとよいですね。材質もプラスティックが扱いやすいですが、木のおもちゃやガラスのものなどもいいですね。
動物 怪獣と猛獣。
スタンド ガソリンスタンドもあります。
星 キラキラ!
:作る人が家からもってきてもいいんですか?
:箱に入る大きさであればよいと思いますよ。
置いてるところ:おもしろいですねー。砂をさわっているだけでも子供のころの砂遊びを思い出します。
:そうですね、砂をさわるってリラックスできたりしますよね。それから箱には規定のサイズがあるんですが箱の中で表現することは「心理的に守られた空間」のなかで自由に表現できるので、深いレベルの自己表現が可能になるんです。結果として、カウンセリングで言葉にならなかった、たとえば怒りや不安を表現することができて、気持ちがすっきりするということがあると思います。 それから、作ったあとで心理士と作品について話すことで、自分でも気付かなかった部分に気づいて、自分について理解が深まることで抱えている問題の解決に向かえることにもなります。
:そうかあ。患者さんの言葉になっていないイメージのようなものが現れて、作ること自体治療になるんですね。
: 作品をみて、心理士は、作られた作品の全体の印象からその患者さんの状態を考えたり作品のテーマから、今その患者さんにとって何が心理的課題なのかを検討します。1回だけでなく、何回か作ってもらうことで、より患者さんを理解できますし、作品がどう変化していくのかを流れとして、そして心理士との関わりの中で見ていくことが大切ですね。
:ふーん、奥が深いものですねえ。どんな患者さんに作ってもらうんですか?
:院長と相談して患者さんに提案していますが、パニック障害などの不安障害やうつ病、統合失調症、境界性人格障害の方など多くの治療例が報告されています。面接でうまく言葉でご自分の問題を表現しずらい方などにはいいのではないかと思います。ただ、無意識的なイメージが現れるので、あまり破壊的な表現が続いて患者さんにとって治療としてよくないと判断した場合は制作を止めることもあります。
:心理療法も、認知療法のように考えを扱うものもあるし、箱庭のようにイメージを扱うものもあって、幅があるものですよね。その患者さんに合った療法を使うことが大切なんですね。
:そのとおりです!
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